思い出を語る色水
色水をつくった。 左が「今の私」右が「子どもの私」を表す色水。 色彩で表すと、不思議なくらいたくさんのイメージと思いがあふれてきて、 どこまでも遠い世界に私を連れていってしまう。 だから、最後は言葉で束ねることが必要だ。 「泥」と「れんげ畑」。 幼い頃、この季節になると一日中れんげ畑に座って遊んだ。 いつもは厳しい母もどことなく明るくて、このままずっと咲いていてほしいと願った。 れんげの蜜は甘くて、口に含むと幸せな気持ちでいっぱいだった。 その蜜の黄色がこの色水の底に沈んでいる。 黄緑は草が伸び始めた田んぼの色。 この色も私の中に残っている風景。 「泥」にはたくさんの色が生きている。 今の私を思う。 3つの色水は別々のようで繋がっている気もする。 大地こそ植物を育み、花を咲かせ、実をならす。 泥だって命を支えている大切な存在。 私の中には色んなことが息づいている。 そんなことを色水は教えてくれる。